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MRSA ~外眼部感染症 2022年3月公開

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistantStaphylococcus aureus:MRSA)はメチシリンが開発された1960年に初めて報告され、1980年代より眼科領域に台頭、1990年代には白内障術後眼内炎、また 2000年代には屈折矯正術後の重篤な感染症の起炎菌として注目されるようになった。近年は多剤耐性を獲得したMRSAが蔓延しており、高齢者あるいは免疫不全宿主の日和見感染症の原因として王座を占めている。一般的な抗菌点眼液では治りにくいことが多いため、注射用剤を自家調整した点眼液あるいは眼軟膏が用いられてきたが、近年、バンコマイシン眼軟膏1%が日本発MRSA/MRSE眼感染症の治療薬として開発された。抗菌薬の開発と耐性化のイタチごっこはまだ続いており、新たな視点での感染予防や治療薬開発が望まれる。(外園千恵)


提供 外園千恵

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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