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クラミジア・トラコマティス ~ STD(性行為感染症) 2022年1月公開

以前より、クラミジア結膜炎にはトラコーマのほか、眼-泌尿生殖器間で伝播して新生児や成人に軽症の結膜炎(封入体結膜炎)を起こすタイプがあることが知られていた。トラコーマは衛生環境の改善と有効な抗菌薬の登場により激減したが、1980年代から性器クラミジア感染症の増加に伴って成人および新生児において封入体結膜炎がリバイバルした。両者の臨床像の差はChlamydia trachomatisの血清型の違い(A,B,Cの血清型がトラコーマを起こす)によるとされていたが、その後、感染反復による免疫反応が本態であることが明らかとなり、三井幸彦をはじめとする我が国の研究者の一元論の正しさが実証された。近年のアジスロマイシンの登場により、クラミジア感染症の治療ははるかに容易となった。(中川尚)


提供 中川 尚

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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