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カンジダ ~眼内炎 2021年9月公開

1970 ~ 1980年代、特に中心静脈高カロリー輸液(IVH)を実施中の患者に真菌性眼内炎が多くみられるようになった。酵母状真菌であるカンジダ(Candida albicansが代表菌)が皮膚から血中に入り、真菌血症を経て網脈絡膜に伝播し、眼内へと侵入するもので、免疫不全状態の患者に好発する。典型的な眼所見は小円形黄白色渗出斑と雪玉状硝子体混濁である。アゾール系のフルコナゾール、プロドラッグのホスフルコナゾールの使用により、メディカルな予防や治療が可能となったが、最近はフルコナゾールが効きにくい Candida glabrataやCandida kruseiによる事例も増加しており、そのような例に対してはミカファンギンやボリコナゾールの投与が必要である。今後も免疫不全患者の増加が予想されることから、内科医と眼科医の一層緊密な連携が望まれる。(井上幸次)


提供 薄井紀夫

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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