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アデノウイルス ~ EKC(流行性角結膜炎) 2021年2月公開

アデノウイルスによる流行性角結膜炎の報告は遠く1889年のFuchsにまで遡る。世界各地で流行を繰り返しているが、我が国でも年間100万人の患者が出ていると推定されている。伝染力が極めて強く、院内感染を起こす点で社会的にも厄介な疾患である。従来、アデノウイルスは血清型によって51型まで分類されていたが、polymerasechainreaction法と遺伝子系統解析により現在少なくとも57型までが新型として報告されている。最近のサーベイランスによると、主流であった8型は2005年以後に姿を消し、37型、53型、54型が多くを占める。従来、同一種間の交差反応のために37型の既往をもつ症例は8型には罹患しにくいとされたが,真の新型である54型については、これまでの終生免疫という考え方が成立しない点で注意が必要である。(内尾英一)

提供 佐々木香る

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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