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緑膿菌 ~角膜炎(輪状膿瘍) 2021年1月公開

緑膿菌は土壌、淡水、海水中などの自然環境に棲息する環境菌で、本来は弱毒の代表的な日和見病原体である。サイズが不揃いの小さなグラム陰性桿菌で、名エラー! ハイパーリンクの参照に誤りがあります。の由来は緑色のピオシアニンなどの分泌にある。涙囊炎、強膜炎、眼内炎なども起こすが、現在、眼科領域ではコンタクトレンズ関連角膜炎が最も重要な疾患である。三井幸彦によれば、抗生物質や副腎皮質ステロイド薬が臨床に導入された1950年代から患者が急増し、
1970年代まで角膜炎の主役を演じた。病原性因子は各種の外酵素や外毒素で、典型例では輪状膿瘍を来し、放置すれば早期に穿孔に至る。この50年、本菌をtargetにした薬剤開発が行われ、現在は鎮静化の感があるが、多剤耐性緑膿菌(MDRP)の今後の逆襲が不気味である。(秦野寛)

提供 秦野 寛

(故田中直彦先生より譲受)

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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