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【戦後】カンジダ ~真菌性角膜炎 2020年12月公開

Candida albicansはヒトの体表や粘膜組織に常在する酵母様真菌の代表である。本病原体による角膜炎は、 1955年以降の広域抗生物質および副腎皮質ステロイド薬の頻用により急増した日和見感染のひとつであり、免疫不全を土台に発症する都市型角膜真菌症として位置づけられる。カラーボタン様の円形の限局性浸潤が特徴で、細隙灯顕微鏡所見は糸状菌によるものとは一線を画す。1980年代には、HIV/AIDS患者における日和見感染症として脚光を浴び、他科領域ではフルコナゾール耐性Candida albicansの増加が報告された。 1990年代からはCandida parapsilosisなど、他のカンジダ属による角膜炎も増加し、コンタクトレンズ装用者の増加や角膜移植患者をはじめとする医原性の免疫不全眼の存在もあって今なお減少傾向はみられない。
薬剤耐性株に対する対策が今後の大きな課題である。(佐々木香る)

提供 宇野敏彦

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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