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プリオン病のガイドライン(2020年3月公表)における眼科手術に関連した項目について

プリオン病のこと、ご存じでしょうか?       
                       
今は新型コロナ感染症一色ですが、同時に忘れてはならないものに、プリオン病があります。皆さま、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の名前はよく周知されていますが、さてその感染リスクは?と言われると知識として確かでない先生も多いかと思います。

このページでは、2020年3月に発行された「プリオン病感染予防ガイドライン2020」について、眼科手術の観点から抜粋してお伝えします。
詳しくは、日本脳神経学会のホームページに掲載されているガイドラインhttps://neurology-jp.org/guidelinem/prion.htmlの第5章 眼科治療(43~49頁)をぜひご覧ください。

プリオンとは、CJDなど伝達性海綿状脳症の伝達因子です。プリオンはDNAやRNAなどの核酸を持たず、蛋白質のみからなっています。プリオンが原因となる疾患を総称してプリオン病と呼びます。プリオンには伝達性があり、ヒト屍体硬膜移植による二次感染や、牛海綿状脳症(BSE)がヒトに伝達したケースが知られています。プリオン病は発症前に診断する方法がありません。また、発症すると現時点で有効な治療法はなく、平均1年半程度で必ず死に至ります。

プリオン病患者の網膜や視神経には異常プリオン蛋白質が存在することから、網膜硝子体手術および眼窩手術は脳神経外科手術と同様にプリオン病のハイリスク手技に分類されています。プリオン病と診断された患者さんに眼科手術を行うケースはまれですが、問題となるのは手術を行ったあとでプリオン病と診断される場合です。

プリオンはオートクレーブなど通常の滅菌方法を行っても不活性化されないため、可能な限り単回使用医療機器(SUD)を用いることが推奨されています。したがってプリオン病感染予防の観点から、網膜硝子体手術に用いたSUDの再利用はできません。

 高価なSUDを廃棄することは一見過剰とも思われますが、万一プリオン病を発症すると致死的となります。我々眼感染症学会は、上記の認識を皆で共有することが大切だと考えています。

                     日本眼感染症学会
                     理事長      井上 幸次

 

日本眼感染症学会

Japanese Association for Ocular Infection

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